しかし、お子さんの情緒の安定のために、ずっと授乳を続けていればよいというわけでもありません。子どもはいずれ卒乳します。卒乳することはお子さんが自立するためには必要な過程であり、親離れ、子離れの最初のステップであると思うのです。お子さんも、お母さんも無理なく、自然に卒乳できると良いですね。そのために、少しずつお子さんの心の成長を促し、お母さん自身も準備をしていきましょう。例えば、お子さ
んが泣いた時、本当にお腹が空いておっぱいを求めているのか考えてみてください。もし、嫌なことがあったり、不安になったために泣いたのであれば、授乳をすることで誤魔化すのではなく、抱っこや声掛けで解決してみてください。「順番だから次に借りようね」「お母さんがいるから大丈夫だよ」など、お母さんの穏やかな表情や口調で、きっとお子さんも落ち着けるはずです。どうしても安心できない場合は、十分に授乳し、安心させてあげてください。このような体験を積み重ねることで少しずつ自立する心が育まれていきます。
卒乳の時期は“〇歳になったら”ということではなく、それぞれのお子さんとお母さんの成長によります。焦らずにお子さんとお母さん自身の成長を見守ってあげましょう。
参考文献: 1)栗野雅代監修(2012)『おっぱいで赤ちゃんを育てたい人のための母乳育児の教科書』、マイナビ
2)北野須美代(2002)『おっぱいでもっとらくらくすくすく子育て』、メディカ出版