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2013年3月25日月曜日

「幼児期に育てたいもの」


皆様の育児の参考にしていただけたらと、『育児のヒント』を記載しています。 
今回は、あゆのこ保育園 町田和子園長です。 


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 4 月を迎え、あゆのこ保育園でも新たに 27 名のお子さんをお迎えしました。新しい年度の始まりです。
 先月は、就学を控えた年長児が、小学校への期待半分・不安半分・・・と、ちょっといつもと違う緊張感 で残り少ない日々を過ごしていました。「日中は新しいランドセルをしょって喜んでいるかと思ったら、夜 お布団に入ると、『お友達できるかな・・・』とポロッと涙を流す姿もあるんですよ」と保護者の方が教えてく ださいました。卒園児が新しいランドセルをしょって、名札をつけて、誇らしげに園に遊びに来てくれるの が毎年の楽しみです。

 就学に不安を感じているのは子ども達だけではなく、保護者の方にもさまざまなご心配があるかと思 います。園では毎年 3 月にクラス懇談会を開催し、進級後の新しいクラスでの保育について保護者の方 にご説明していますが、その際に、主に 3 歳以上児クラスになる保護者の方からご質問がでるのが、「小 学校にむけての準備はどのような形でするのですか?」というものです。中には、「文字の練習や算数な どは?」という具体的なものもあります。「あゆのこ保育園ではそういうことはしていません。」とだけお答え すると、不安そうな表情をされます。就学に向けて何もしないというのではなく、文字の練習や算数の勉 強よりも、もっと大切なことがあると考えているので、「幼児期には十分に遊ぶこと、それが小学校へ入学 してから勉強に集中して向かう力になるのです」と申し上げています。でも、保護者の方には「遊ぶこと」 と小学校へ行ってからの「勉強すること」が結びつきにくいようで、そのようなご説明では保護者の方の不 安は解消されていないのかな・・・とも感じていました。
 就学前の子ども達に身につけてほしい力とはどのようなものでしょうか? 毎年、保護者の方にどのよう にご説明したらいいか悩んできましたが、今年、当園の保育アドバイザーをお願いしている秋田喜代美 先生より、とても貴重な資料をいただきました。家庭教育調査をもとに、「小学校入学前に身につけてほしい力」を、秋田先生をはじめとした専門の先生方が分かりやすく解説をしてくださっている小冊子です。 その中に、幼児期に育みたい力として大切なのは「学びに向かう力」とありました。今年の 3 月の懇談会で は、この冊子の一部をコピーしてお渡しし、保護者の方にご説明しましたが、その内容をかいつまんでご 紹介したいと思います。

 「学びに向かう力」とは、「自分の気持ちを言う、相手の意見を聞く、物事に挑戦する、自分の気持ちを 調整するなどの力で、生涯にわたる学びの基盤になる力」で、幼児期に遊びに集中したり、いろいろなこ とに挑戦したりすること、また、興味をもったことに対して「なぜ」と疑問に思い、周りの大人に問いかけたり することによって育まれます。遊びに没頭し、いろいろ工夫して取り組む姿勢は、学習に集中し、自ら興 味・関心を持って学びを深める力につながるのです。ご家庭の日々の生活の中で、お子さんが集中して 遊びこむ姿を見守り、またお子さんの話の「よい聞き手」になって、お子さんからの問いかけに丁寧に応じ たりするなどして、子どもが自分で考えるような機会をつくってあげることが大切です。」

  いかがでしたでしょうか?小学校にむけての特別な準備があるわけではないようです。例えば、毎日 の生活の中で絵本をたくさん読んであげることが、お子さんが文字に興味を持つことにつながっていくの ですね。生涯にわたる学びの基盤になる「学びに向かう力」の芽はいたるところにあり、その芽は日々の生 活の中で育まれていきます。そのためにも周囲の大人が、子どもと同じ目線でいろいろなことに興味を感 じたり、一緒に共感したりしながら、お子さんとの関わりを楽しむこと、そのような何気ない関わりがお子さ んの意欲や好奇心をうまく引き出していくコツかもしれません。


「幼児期から小学 1 年生の家庭教育調査」        http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/research/pdf/research22.pdf 


 あゆのこ保育園園長 町田和子