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2012年12月1日土曜日

「シャッターチャンス」


皆様の育児の参考にしていただけたらと、『育児のヒント』を記載しています。 
今回は、あゆのこ保育園の保育アドバイザーでもある 東京大学大学院教育学研究科教授 
秋田喜代美先生です。 

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 あゆのこ保育園の先生方が、園で子どもたちが保育中夢中になっていたり、すてきな瞬間をデジカメでパチリと記録におさめ、保育活動の足跡として保護者のみなさんと共有されているのはよくご存知のことと思います。 保護者の皆様はご自宅ではどのような時にデジタルカメラを活用されておられるでしょうか。お出かけをしたり、記念日の 1 枚も貴重なものですが、“あ、おもしろい”とか、“いい表情だなあ”と思われた 1 枚を撮ってみられると、ご夫婦で、またご家族で、そして兄弟やお子さんとの会話もはずむものになるのではないでしょうか。 赤ちゃんは自分の写った写真が好きという話もあります。それは子どもにとって自信にもつながるものです。 ソニー教育財団で「科学する心をみつけよう」フォトコンテストというのがあり毎年その受賞作品の写真を拝見すると、どんなに小さな子どもたちでも、新たなモノや出来事への不思議を感じていると、そのモノを丁寧にみつめていたり五感で感じていることが表情に現れたりしています。そうした瞬間をとらえてみるのは、いわゆる記念アルバムとは違った子育ての記録になるかもしれません。「科学する心」だけではなく、「満足な心」や「おどろきに目をみはる瞬間」「やさしい思いやりを示す瞬間」など百面相の中に、子どもの可能性を捉えることができるように思います。
そういうお子さんの良さを一番よくわかっておられるのはやはり親御さんでしょう。 


 先日テレビで、お子さんが眠っているところがかわいいので、その周りをかざりつけて子どもの写真を撮っておられるおかあさんの様子が報道されていました。そうして自分を見守ってくれている親の眼差しは、写真に親は写っていなくても子どもは感じるものです。 

 何か決まった姿を定点的に写真に残しておいて、1 年をお誕生日等の機会に振り返ってみると、日々接していると見失いがちな心のゆとりを取り戻し、子どもの成長を感じられる思い出になるのかと思います。


 私の娘は二人共成人してもう大きくなっていますが、毎晩親子で絵本の読み聞かせをした時にその場面を録音をしておきました。それが今でも残っていますが、それは私たち親子にとっては、 絵本の思い出であると同時に、あの時こんなことを言っていたんだという音の思い出アルバムに なっていますし絵本とのつながりを強いものにもしてくれました。



 みなさんの家でもわがやの「**アルバム」に挑戦してみてはどうでしょう。忙しい中でも改 めてうちの子のよいところやいい表情を見つめなおすよい機会になるかもしれません。怒ってい たり気持ちが散漫だと写真は撮れません。お子さんと保護者の笑顔を生み出す機会にシャッターチャンスがなると良いなと思います。



                                秋田 喜代美