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2016年12月31日土曜日

「 『叱る』ということ 」

皆様の育児の参考にしていたけたらと、『育児のヒント』を記載しています。今回は、藤沢市の湘南台南保育園 園長 小池 良一先生です。

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園長職をさせて頂き、初めて分かったことがあります。それは、保育園入園希望の保護者の方々に、私たちの「湘南台南保育園」を案内させていただく機会が、とても多いということです。1週間に10組以上の親子を案内させていただくときもあります。
 
さて、この保育園見学の時間は、大事なお子さんを最大6年もの長い間、一日預ける保育園選択の時間となるため、保護者にとっては、大変重要な時間となります。しかし、お子さんにとっては、初めての場所のため緊張感を感じながら、退屈な時間になることが多いです。乳児でしたら泣き続けたり、幼児でしたら、いたずらをしたり、走り回ったり、大きな声を出したりすることが、見受けられます。保護者は、時間がたつにつれ、自分の思いと子どもの行動が、少しずつずれていくことで、イライラしていきます。時には、感情的になり、わが子に向け、大きな声を出してしまう保護者の姿を見かけることがあります。必ずといっていいほど、大きな声を出した後、すぐに後悔の表情を見せます。また、子どもも自分の気持ちが受け止められなかったことに気づき、感情が複雑になっていき、孤立していきます。

私が以前、相談業務に従事していた頃、最も多い相談は、「叱り方」に関することでした。皆様も、「叱りすぎてしまった」、「どのように叱ったらよいのか」、「叱るタイミング」等の悩みが少なくないと思います。今回は、このような背景から、「叱る」に関して、私の考えを、少し述べさせていただきたいと思います。


1 「怒る」と「叱る」との違い

 ご存じのことだと思いますが、広辞苑によると「怒る」とは、怒り手の感情を外に爆発させること、「叱る」とは、相手によりよい方法を教示することとなっています。
私が、保育を通し、子どもたちから強く感じる事は、子どもの心は、本当に純粋そのものであるということです。ある日、私が給食前に園長会に出かけるため、保育園を出ようとしたとき、4歳児の女の子から「園長先生どこいくの?」と聞かれました。私は、とっさに「お散歩してくるの」と、答えました。夕方、園長会から帰ってくると、その子が悲しい顔をして、「園長先生が、迷子になったのかと思って心配しちゃった」と、話してくれました。あまりにも、散歩に時間がかかっているものだから、女の子はずっと、私のことを気にしてくれていたのです。子どもの心は純粋です。我々大人は、知らず知らずに、その純粋さを汚すことを、日常行っているかもしれません。
「こんどお母さんの手を放したら、お母さんどこか行っちゃうよ」、「今度、お外で泣いたら、パトカーで連れて行ってもらうよ」、「これを食べないと、ミッキーマウスに会いにいかないよ」と。
この伝え方は、まさに「怒る」です。
特に、幼児期の子どもは、「お母さん、どこか行っちゃうかも」、「パトカー来ちゃうかも。おまわりさん怖い」、「ミッキーマウスにずっと会えない」と思い込み、情緒が不安定になります。
それより、手を放して歩き出してしまうお子さんなら、「歌を歌いながら手をつないで歩く」、「手をつないでおうちに着いたら、一緒にホットケーキをつくる」、こんな形でわかりやすく伝えることが良いかもしれません。

2 思うようにならなくて当たり前

 現実的には、なかなか難しいのですが、乳幼児期の子育ては、「思うようにならない」とか、「いくら伝えてもわかってくれない」とか、これらのことに自分の感情を動かさないことができたら、素晴らしい育児が確立すると私は思います。なぜなら、一生懸命やればよりよい子育てができるわけではないからです。育児に限らず、世の中のこと,自分のすることさえ、思うようになることは、存在しません。この理解が欠けてしまうと、人は怒りの感情が動き始めます。今より、子どもというものをもっと大きく見て、自分ひとりの力では、限界があり、また、多くの取り組みを行っても、うまくいかないことが自然であるという覚悟が育児の肝要だと思います。

 人のために生きられる大人になるか、自分の欲だけに生きる大人になるかは、大人の責任と言っても過言ではないと思います。なぜなら、先ほど述べたように、子どもの心は純粋、「白い画用紙」だからです。これから、子どもたちは、その「画用紙」にどんな絵を描き出すのでしょうか。我々大人は、子どもの横について、自尊心に満ちた絵が描けるよう、わかりやすく伝えたり、育児を一人で抱えこまず、乳幼児期の育児は難しいということを受け入れたりする、意識や心がけが、育児の「根幹」になるような気がしてなりません。
小池 良一
 
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