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2015年9月30日水曜日

「はじめてのおつかい」


筒井頼子/ さく  林明子/
(福音館書店 1977年 4月発行)


子どもの成長過程でどの親子も一度は経験する『はじめてのおつかい』の様子が描かれた絵本です。
 主人公のみいちゃんは、お母さんに頼まれて生まれて初めて一人でおつかいに出かけます。一人で行くということの緊張と不安、お母さんに頼りにされた誇らしさと、高揚する気持ち、任されたことを達成しようとする責任感、みいちゃんの心の動きが細かく描かれており、あっという間に絵本の世界に引き込まれていきます。生活に密着した身近なテーマのお話なので、大人も子どももそれぞれの立場でドキドキしたり、ハラハラしたり、応援したりする気持ちでみいちゃん親子の姿を見つめ、共感される方も多いのではないでしょうか。裏表紙にはおつかいを終えた後の親子の姿が描かれており、赤ちゃんを抱っこしているお母さんの膝に、自分の片足をちょこんとのせ、ちょっぴり甘えているみいちゃんの姿が印象的です。はじめてのおつかいをやり遂げ、お母さんからパワーを充電しているところでしょうか。

初めてのことを経験するとき、子どもはとてもパワーを使います。そのパワーの源となるのがお家の人が自分のことを信じて見守ってくれている、安心感という支えなのだということがみいちゃん親子の姿から改めて感じられます。安心できる場所からちょっと離れては様々な挑戦や経験をし、またお父さん、お母さんという心の安全基地に戻っては次へのステップへと向けてパワーを蓄えていく、その繰り返しをしながら親も子どももお互いに自信をつけ一歩一歩成長していくのですね。子どもが安心して挑戦する力を持てるよう、時にはそっと見守り、心の支えになっていけるようにしたいですね。