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2015年9月30日水曜日

「きょうだいケンカばかりだけど・・・」

皆様の育児の参考にしていただけたらと、『育児のヒント』を記載しています。今回は、湘北短期大学保育学科 教授 岡本依子 先生です。
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 我が家には4歳離れた子どもが2人います。今は大きくなってしまいましたが、今回は2人が小さかった頃の記録を見ながら思い出してみます。

姉のハルナが5歳、弟のシュントが1歳になったばかりの頃は、きょうだいでのいざこざが目立ち始めた時期でした。シュントが歩き始め自分で移動できるようになったせいで、ハルナが遊んでいるところに行って手を伸ばして邪魔することをできるようになったからです。それまでは年が離れているせいで目立った赤ちゃん返りはなかったハルナでしたが、ここに来て、遊びを邪魔され我慢ができなくなっている様子がよくみられるようになりました。たとえば、積み木をしているとき。ハルナは一生懸命積み木を高く積み、「東京タワー」と名付けたところに、シュント怪獣がやってきて、ガッシャーン! いつものこととはいえ、何度も壊されると、イライラし始めるハルナ。そしてとうとう、シュントが、積み木のタワーに手を伸ばした瞬間、先にハルナ自身が、ガシャーン!と壊してしまいました。シュントより早く壊したことで、ハルナのイライラが少し飛んでいったようで、そこからは、私が一生懸命素早く積み木を積み上げ、ハルナがガシャーン!ガシャーン!と勢いよく壊すという遊びに変わりました。そのハルナの壊し方を見ていると、イライラがたまっていたことが伝わってきました。 
 
 また、それまでは、泣いて待っているだけだったシュントですが、歩けるようになって、私や夫のところに自分で行って、直接だっこを要求するようになってきました。それまでは、シュントが泣けば、誰より早くハルナが飛んで行くことで「小さいママ」気分になれていたのに、ハルナはそれもできなくなりました。お父さんやお母さんを取られているような気分にもなってきたのでしょうか。夫や私の背中に飛びついてきたり、くっついてきたりすることが増え、甘えん坊になったような感じもありました。

 ハルナは、シュントと少し年が離れていて、周りのこともわかりはじめていたので、“お姉ちゃん”になった自分を楽しん
でいました。しかし、その分、がんばりすぎているのかな?と親としては反省もしました。ところが、この時期こんなことがありました。

当時、ハルナとシュントは別々の保育所に通っていたのですが、その日はたまたま夫の帰りが早かったので、私がハルナを、夫がシュントをお迎えに行くことにしました。ハルナを迎えに行って車に乗せて、家に向かって走っていると、「あれ?シュントは?」とハルナ。私は少しふざけたくなって、「あ、忘れてきちゃった!」と言うと、「迎えに行って!!」と真剣に訴えるハルナ。悪ふざけが過ぎる私は、「今日は、いいんじゃない?シュントがいないと、積み木壊されないよ」と言ってみました。すると、ハルナは「シュントがいる方がいい~!まっすぐ行かないで~!シュントのお迎えに行って~!」と叫びながら、泣き始めてしまいました。私はあわてて、「本当はね、お父さんにお願いして迎えに行ってもらってるの。」と白状しました。納得したのか、していないのか。家の前に車を止めると、ハルナは、急いで車を降り、玄関に飛び込み、「シュントーッ!」。靴を脱ぎ飛ばして、家の中でシュントを見つけると抱きついて、おいおい泣いていました。

 少しやりすぎたようです。とはいえ、普段はいざこざが絶えない二人。とくに、ハルナは我慢をしている気配も感じます。それでも、二人がこんなに仲良しだと、親としては心から嬉しく感じてしまいます。なんだか普段の大変さが報われるようです。そして、きょうだいげんかくらい、どーんと構えて対処すれば、二人は二人で仲良くやってくれるのかなとも思いました。きょうだいがたくさん関わっていれば、けんかが増えるのも仕方ないこと。その分仲直りの機会も増えているのかもしれないですね。                
 岡本 依子  
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